異母兄弟パロ 壱
細い瞳だった。日の下に彷徨う猫のように細くしなやかで、なのに紅を支配するその黒い瞳はとても綺麗。注意深く睨みつけるのに無関心。その一方で声を掛ければ眩しそうにしながらも睥睨する。そんな目だった。「夜のおめめは紅くてきれいだね」 五年経って…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
夜若→攻若→昼若→夜若
「……ん…」 微かな声を上げて、昼が目を覚ます。散々、貪られた体は疲労で気だるいのか、自分がすぐ傍にいると言うのにぼんやりとその視線は宙を彷徨った。ぐるりと部屋を一周して、それからようやく視線が合う。かと思えば、「……よる…?」 名前を呼…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
夜若→攻若→昼若(力関係:昼若 〉攻若、夜若)
ギリギリと力が拮抗する中で、こいつがナニをしようとしているのか、それは双子でなくとも分かった。「この、馬鹿、はな、せ…っ……!」「だが断る」 そう言ってあむ、と首筋を噛み付かれると、否応なしにびくりと体が跳ねる。それを良しとばかりに男の体…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
約束 肆
「はじめまして――幼い鴆……いや、昼、と呼んだ方が良いか?」 聞き覚えの無い名前。与えられていた呼び名とは掠りもしないその響きに、反復するよう、ひる? と首を傾げると三代目はあぁ、と言って目元を和らげた。「お前のその色は昼の世界の色によく似…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
約束 参
本当は。本当は殺す気だったのだ……三代目、というそのひとを。 生まれながらにして鴆毒を抱く自分は誰よりも強く、如何様にも鴆毒を操ることが出来た。しかしその分だけ、誰よりも醜いとされていた。幼い体を取り巻くのは毒に冒された証である紋様で、そ…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
約束 弐
生まれながらに毒を抱く鴆が生まれたと言う。その知らせを聞いた瞬間、それが昼であることをリクオは確信していた。幼友であった、かの兄貴分である鴆から数代、親交は多少薄れようとも現在も良き下僕である鴆一派の当主へその子どもに逢わせろと迫ったのは…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
約束 壱
どんなに時が流れても、どんな姿になろうとも、また君の元に戻ってくるよ。そう言って真っ赤な血に染まった小指を突き出しボクは笑った。「だから、ね、よる……そんなに、泣かないで」 約束するから。また君の元に戻ってくるから。絶対、絶対、君のところ…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
イカサマ勝負
宴の片隅でよくやっていたから腕にはそこそこ自信があった。ましてや誘いかけてくる相手は鴆と夜。二人とも酒が十二分に入っていたし、興じているところなど今まで見たことがなかったから、負けるなんてそうそう有りはしないだろうと思っていた。全てはそん…
最期まで、君と共にリクオ受け
ご主人様夜とメイド昼
ぴちゃぴちゃと音がする。淫らな音だ。こんなところでするような音ではない。……こんな書斎の机上でするような音では。噛んでいろ、と言い渡された黒いメイド服は更に深い色に染まっているに違いない。机の上に乗せられ、後ろに手を付き、広げた足と咥えて…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
数年後の夜と昼
「出てやろうか?」 聞く耳を持たずといった姦しい座敷をひとり言葉もなく見つめる片割れに男はそう囁いた。声につられてつい、と片割れが視線を向ける。片割れにしてみればまた突然に、と言ったところだろう。障子戸の合間から見えるであろう桜の大木、枝の…
最期まで、君と共にぬら孫 他
学パロ 鴆昼前提、攻若→昼←夜若
『今日の十八時、第二視聴覚室に来てください』 白い封筒に入っていたものは、女子特有の丸い柔らかい筆跡でそう書かれた手紙。特に何かを期待していたわけでは無かった。ただ誰からの手紙かも分からず、何も言わないで放って置いたあげくずっと待たせておく…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ
学パロ 昼が好きな夜と夜が嫌いな昼 肆
「…他愛も無い」 そう呟いてリクオは手にしていた鉄パイプを目の前の男たちの方へと投げ捨てた。元々、それは男たちが持ってきたものであり、その男たちは今、全員、地に伏せ呻き声を上げているのだった。大体、仕掛けてきたのはそちらだと言うのに呆気ない…
最期まで、君と共に夜のリクオ×昼のリクオ