リクオ受け

イカサマ勝負

 宴の片隅でよくやっていたから腕にはそこそこ自信があった。ましてや誘いかけてくる相手は鴆と夜。二人とも酒が十二分に入っていたし、興じているところなど今まで見たことがなかったから、負けるなんてそうそう有りはしないだろうと思っていた。全てはそん…

鴆と夜

 例えば恋の病と言うだろう? 名に『病』と付きながら本人はさておき、余程のことが無い限りそれは大したことないのが現状だ。それと同じ、一見大事そうに見えてそれほど悪いわけではない、要は気持ちの持ちよう、考え方次第、下手に手出ししなければいずれ…

邪魅昼【脛:服従】

「――邪魅?」 濡れ縁から青々と生い茂る桜の木を立ってじっと眺める男にリクオは声を掛ける。すっ、と音も無く振り向いた男の顔にはたくさんの護符が貼り付いているが、リクオは構わずにっこりと笑い、食べない? と手にしていた盆を掲げた。盆の上には水…