原作寄りの妄言 4

10年後の最後の戦いの前にアデおじがプロンちゃんに「これから華々しい勝利を手に入れるのに縁起が悪いから貸してあげる」って言って自身の父王の剣を渡して「じゃあ、ちゃんと返してね」って戸惑うプロンちゃんを背に振り返ることなく玉座に向かうやつ。
返してって…あの人バッカじゃないのと意味が分かってプロンちゃん顔をしかめて、唇だけで皮肉げに笑うの。互いが生きて返すこと無い。アデおじが生き残ればプは城の前のシガイに殺されるし、プが生き残るということはアデおじが倒されるということ。返しに行くには同じ地獄に落ちるしかない。
そもそも父王の剣をプロンに預けた時点でアデおじは勝つ気が無かった。あえて13本vs12本という負け戦に臨んだ。プロンプト、先に地獄へ逝って待ってるよ。俺達は天国なんて逝けない、そうだろう? 夜明けと共に消えるアーデンの父王の剣。残されたアーデンの銃で最後のシガイを殲滅する。
最終決戦でアデおじ仲間を眠らせるだけだったのあれ本当プロンちゃん遺して逝くやつにしか思えなくなってきてやばい…落ちる意識の中で「じゃあね」というアーデンの声が聞こえた気がした…みたいな。目覚めたらアデおじ、いないんだよな…。
「50年以上も待たせたからあの人怒ってそう…あぁでも、地獄の1日はこっちの50年なんだっけ?」 なら1日、2日待ってもらうくらい問題ないだろう。わざわざ冥土の土産として借りたものを返しに行ってあげるんだから。 「本当…素直じゃない寂しがり屋だよね」 手元の銃に小さく苦笑が漏れた。
アンブラに手紙託したのも、あの日あの道でタルコットが通ったのも、ハンマーヘッドで3人が揃えたのもプロンちゃんが伝えてたら良い…みんなに「どうしてこの日だと分かるんだ…?何を知っている?」って聞かれても「何も知らないよ…何も知らないから、オレは今ここで生きてる」って答えてほしい。
「置いてかないでよ…傍にいさせてよ…ノクト……ノクトがいないのに夜が明けたって意味がないんだよ…!!!」って私の中のプロンちゃんが慟哭を上げてる…。
「あんた何だかんだで寂しがり屋だから今回だけは同じとこに行ってやる」って先に行って待ってるアデおじに笑って呟いて、これで神話は終わりってなる感じ…でもアデおじ心中はこれで終わりだから…次に生まれ変わったらノクトさんの隣で小突き合いするためにずっと同じ世界で寄り添い続けるんだから…
もしも(指輪を受け継いでない時点での)王家の力を分け与える方法が体液交換だとしたらうちのn周目プロンちゃんは確実にアデおじと毎回濃厚な口付けを交わしてることになるのでやったね!ラッキースケベだ!!
プロンちゃんがアデおじから武器借りる時体液交換だったら設定でそのうちアデおじの舌噛みきりそうとか思ったけど血が体内に入るとか感染、シガイ化一択じゃん????ってなったから噛みつきそうになったらアデおじに「いいの?血、入ったらシガイになっちゃうかもよ?」とか言ってほしい。
シガイになったら神様は赦してくれないかもね?もう時を巻き戻せなくなるかもね?それでもやるの?な感じで…で、怯えつつも歯痒いプロンちゃんがさっさと武器出せと言わんばかりにアデおじのうなじに爪を立てるのを止め、煽るように指の腹でするすると撫でるような動きを変えたらいいと思うよ
まぁ嘘だけどとか(真偽は定かでないがそう)言って。それからプは絶対アデおじの舌血が出ない程度に噛んでるから…「痛いなぁ~もう~」とか言いながら噛みつき返すアデおじがいるから…そんでプロンと自分の血と唾液をごっくんして「ハイどーぞ」ってプロン専用のアデおじ愛用の銃を手渡すんでしょ…
そっか…アデおじ、レスタルムの光潰すことも出来るのに潰さず10年待ってたのか…10年、本当アデおじ何考えながら待ちぼうけ喰らってたんだろうなぁ…寂しい玉座でずぅっと待ってたのかな…それとも最後の世界と思ってあちこちさ迷い歩いていたのかな…
冷たく堅い、他人を見下ろすばかりの玉座に座った時、あの男はこんなものが欲しかったのかと、こんなもののために自分は殺されたのかと、こんなものを巡って2000年もの時を彷徨っていたのかと、そう思い自嘲してやるせなくなるアデおじ。
アアア想像したら「縁起が悪いから貸してあげる」「なにこれ」「俺の中の悪いモノを封印してる証だよ、貸してあげるからちゃんと返しに来てね」って恩着せがましく渡して、その裏で残念だったな神様よ、ざまぁみろ力をひとつもいでやったぞって舌を出すアデおじが爆誕してしまった…
王の葬送に供える花束を手にふとプロンちゃんが広場のところで一本だけ花を抜いて供える。そこには言葉も黙祷も無いけれど確かに2千年生きた男への弔いだった、みたいなのーーーその後グラディオとかに「どうした?来ないのか?」とか言われて「ううん、なんでもない」とか言って駆けて行ってほしい。
10年後のノクトさんがハンマーヘッドを出る前に精製した魔法をひとつだけ置いていくの。そしてそれが魔法の消えた世界で唯一の魔法となるの。魔法も奇跡もあるんだよ。もう夜はこわいものでは無くなるんだよ。そう言って人々が見上げる夜空に、最後の魔法はきらきらと輝いて消えていくの。
ノクトさんとアデおじの最終決戦、あそこまでノクトさんが躊躇いもなくがんがんトドメ刺すのやっぱり周回してるのでは説出てきた…もう最初の時なんかノクトさん躊躇いすぎて中途半端に刺しちゃってそれ逆に痛いからってアデおじがノクトさんの手に自分のを添えて半強制的に引導を渡させてそうじゃん。
「そうじゃないよ、ノクト」とか「相変わらずへたくそだね」とか言いながら武器を握りしめるノクトさんの手に自分のそれを重ねて思いっきり自分の方に引き寄せノクトさんの手でトドメを刺させる。自分が、ノクトさんが殺した最初で最後の人間になる。
とある夜、真の王となる者をこっそり見に来たアデおじが過去に自分を葬った男の面影を見つけ、そっといびつに嗤う姿とか最高では…自分の、この歪んだ運命のきっかけとなった男が、この運命の終結に選ばれる。なんと自分達に相応しい終わり方だろう。そうひとり歓喜に心を踊らせるアデおじ…。
私はしあわせだった頃のアデおじも見たいけど、どこぞの映画で魔女堕ちした少女のように「俺は…一体いつからシガイに…?」って絶望した顔で金色の目から黒い血の涙を流すアデおじも見たいんだ…。
かっこいいアデおじが足りない…かっこいいアーデンおじさんだよ…その黒いコート翻して靴音響かせて次々と得物を変えながら武器を振るう金色の目ギラギラさせたニヒルに嗤うかっこいいアーデンおじさんが足りないんだよ…。
どこかの平行線で、オレが命を賭して救う程、この星に価値はあるのだろうか?って問いに惑って考えて唇噛んで、でも小さな小さな今にも消えそうな声で「無い…」って答える親友の姿に、命懸けで救う価値を見出だす王様が居ても良いと思うんだなぁ。最後に背中を押したのは北風でなく太陽だったみたいな。
「ご両親に会えたか?」「うん!ダメだった!」って最高に明るい声で言うプロンくん切なすぎるんですけど…!!警備隊の服持って家にドキドキしながら一縷の希望を胸に家へと走って玄関開けて「ただいま!」って駆け込んでシーンと静かな部屋の中でそっと唇噛んで警備隊の服握りしめたんでしょ??
でもさ、テーブルにプレゼントみたいな袋見つけて、え…?って思いながら傍に置いてあるプロンプトへってカード見て目を見開いた後、恐る恐るリボンを解いて中を覗いたらバーコードが隠せるグローブが入ってるの見つけちゃうんでしょ???思わず目が潤んで警備隊の服と一緒に抱き締めて「父さん、母さん、行ってきます!」って言って家出たんでしょ???で、また明るい顔に戻して4人に会いに行ったんでしょ???普通に泣くわ…ってエピプやるまでは思ってたし、もしかしたらアデおじがプレゼントした可能性もあるのでまだまだ希望は捨てきれない。
過去に一度高校生ノクトさんとプロンちゃんが本気で殴り合う喧嘩を経験していたら良いな。誰からも本気で感情をぶつけられなかった王子が初めて同い年の人間に派手に殴られ殴り返すというおバカな普通の(?)高校生を経験してほしい。一度は本気で殴り合ったのに未だダチやってるってすごく良くない?
原因はプロンちゃんのバーコードのこととかかな?リストバンドの下を頑なに見せないプロンちゃんに軽い気持ちでなんだよ隠すなよって言って始まったやつ。プロンちゃんにとっては絶対に触れられたくないとこ。でもプロンちゃんはこれでノクトさんの傍に居れなくなっても…、とちゃんと覚悟して殴るから。
単に殴り愛とかぼこり愛が好きだから別にシリアスじゃなくても良い。ただ鼻血とか口角切れて出た血とか拭って本気で殴り合ってるのが見たいだけ。たぶんノクトさんはこの殴り合いで魔法は使っちゃいけないと分かってんのか使わないし、プロンちゃんも訓練されてないけど勘が良いから良い勝負。
むしろ途中まではプロンちゃんに軍配上がっててでも王子が最後の最後でそれまで使わなかった魔法使ってチェックメイトするからノクトずるっ!魔法使わないとは言ってないってぎゃーぎゃー口論になってひとしきり騒ぎ終えた後オレ達何やってんだって二人で呆れてお互い髪ぐしゃぐしゃにして笑い出すから。
とりあえずノクト救急箱貸して、救急箱どこにあるか分かんねぇわとかやってるうちになんかイグとグラやって来てその惨状(暴れまわった跡と二人の傷)に固まりそう。あーイグニス救急箱どこ?とか聞いちゃう王子その辺のデリカシーは無い。一応救急箱は出してもらえそうだけど一般市民の命が危うい状況。
プロンプトを危険人物として離すべきか思案するイグにグラが肩を叩いてあれなら大丈夫だろと示した先にはお前やりすぎだろ、ノクトも手加減しなかったじゃんと言い合いながら二人で絆創膏を貼り合ってる姿で。ただのバカな高校生が年相応にバカな喧嘩しただけなのだと気付き側近は呆れて肩を竦めると良い。
その後、冷静になった側近にポーションの方が良いのではと言われ、プロンちゃん初めてのポーション与えられる。あーもしかしたら喧嘩の原因はバーコード云々と言うよりその周辺の皮膚が傷つき爛れているのを見るに見かねてみたいなかもな。
「オレも闘う」

そう凛とした声にオレはダメだと言い放った。プロンプトは戦闘訓練を受けたと言っても、ついこの間まで武器も持ったことのないただの一般人だったのだ。少し銃の扱いと身の守り方を学んだとは言え、シガイ相手では下手をすればタダでは済まない 。親友をその身を危険に巻き込ませたくなかった。……しかし。

「………足手まといにならねぇだろうな?」

じっとプロンプトを見つめ、グラディオは問い掛ける。 覚悟を、意志を。共に闘う者として、それだけの強さがあるのか見極めようとする。
プロンプトがにっ、と笑った。

「もちろん」

捨て置いたって構わない。そんな声さえ聞こえるように、はっきりとそう言って。

「オレだってノクトを守りたいんだ」
「見栄張ったんだ。しくじるなよ」

ふい、と顔をそむけ、グラディオは前を向く。うっすらとその口元には小さな笑みを浮かべながら。それを知ってか知らずかプロンプトもそっと微笑んだ。

そんな二人を見て、ようやく気付く。親友が欲しかったのは心配ではなく信頼だったのだと。
自分はなんだかんだ言って、プロンプトのことを信じてやれていなかったのだと。

「……じゃあ、オレが奇襲をかける。プロンプトは後ろから援護な」
「りょーっかい! 王子様」

その日、親友は守られるべき一般人から、頼るべき仲間へと成長した。