グッバイ イズニア

07

──落ちる、落ちる。全身を包む水の感触から、世界へと放り出される感覚。そしてぼよん、と何かの上に落下し、跳ねる感覚へ。「いたたた…」一体ここはどこだ。アーデンは着地した体を擦りながら周囲を見渡す。「なるほど。次の部屋…ねぇ、」まるでどこかの…

06

朝日が目に痛い。肩でぜぇぜぇと息をしながらアーデンはその眩しさに目を細める。結局、次から次へと湧いて出るナイトメアと一晩中戦わされ、こんな時間だ。『やったね アーデン!』いつの間にかどこぞへと隠れていた生き物がキュイ、と鳴きながらひょっこり…

05

「……ところで」足元の白い生き物を持ち上げるとアーデンは根本的な問題を口にした。「この道で本当に合ってるんだよね?」道は確かに開けたものの。これが正解なのかと問われればアーデンは分からないと答えるしかなかった。正しい道を示すというクリスタル…

04

示された方角を白い生き物と共に進む。今度は迷いがないせいか生き物の歩みに淀みはなく、荒々しい岩肌はあっという間に再び柔らかな湿った土と生い茂る草へと変わり、どことなくアーデンを安心させた。「……でも、やっぱりこれは納得いかないよねぇ」絶対さ…

03

『え~っと こっちだったかな?』そう言って前を進む白い生き物は右へ行き。『ん~ あっちだったかも』かと思えば今度は左へ行き。完全に迷子と言った体で二人は森の中を進んでいた。「…ねぇ、ここの出口、本当に知ってるんだよね?」始めは大人しく後ろを…

02

「で、さっそくなんだけど、これは何?」アーデンは目の前の、宙に浮く黄金色の物体を指差す。きらきらと光り宝石のようにも見えるが、なにぶん人の顔より大きい。『それはクリスタルの欠片だよ』『これから進んでいく道を教えてくれるし』『たくさん集めると…

01

───くそっ!化け物め!それが最後に聞こえた言葉だった。  目が覚めればどこかの森の中のようで。アーデンは重い体を起こしながら、瞼をこする。……どこだ、ここは。眠気を残しつつ、気だるげに周囲を見渡すも辺り一面、草と木と岩…